憲法

2008年10月30日 (木)

国籍法違憲判決④

疲れてきたので、意見類は大変面白いのですが、要点だけにします。

まず補足意見。

泉徳治裁判官

国会の立法意思として準正要件を除いたままでは同項を存続させないであろうという蓋然性が明白である場合は、準正要件を除いた上での適用は許されない。

3条を廃止する意思の場合⇒しかし、そのような意思は生後認知された非嫡出子を現行法以上に差別するものである。

胎児認知された非嫡出子や日本人たる母の非嫡出子にも準正要件を課すこと⇒嫡出・非嫡出子の差別は憲法の平等原則に反する

わが国との密接性を有すると認める新たな要件を課すこと⇒血統主義とは別の観点であるから、蓋然性が高いとはいえない。

今井功裁判官

違憲立法審査権が与えられた趣旨は、違憲の法律を無効とする事で、国民の権利利益を擁護すること

3条1項は単なる立法不作為ではなく、準正子と非準正子を積極的に差別し、立法裁量権を行使している。

多数意見の解釈は国会の立法裁量を拘束しない。

近藤崇晴裁判官

略(今井裁判官とほぼ同意見だとしておきます)

次に意見

藤田宙靖裁判官

3条は原則である2条の例外規定である4条(帰化)の特別類型である。⇒本当は4条の要件を満たさないとだめだけどこの場合は特別に緩やか(?)な要件で国籍取得を認める規定。3条1項は4条以下の要件を緩やかにしたものである(簡易帰化)。

したがって3条1項は過剰な要件を掲げているのではなく、不十分な要件である。

よって、準正要件自体は違憲ではない。

しかし区別自体は違憲。

3条1項を拡張解釈して救済する。

次に反対違憲

横尾和子、津野修、古田佑紀裁判官

国籍要件を定めることは国家の主権作用のひとつであるから、国会の広い立法裁量がある。

3条は2条および帰化の特別類型(簡易帰化である)。

多数意見がいう生活状況の変化は伺えない(データを用いて指摘)

準正要件をなくした諸国は地理的な要因などから国際結婚が多いため(西欧など)、日本と比較するのは相当ではないから、立法の相当性としては考慮しても、憲法適合性において考慮すべきではない

日本人である母の非嫡出子との差について、非嫡出子は母の親権にある。父と母の違いであって男女の差別ではない。

3条は血統主義を補完するものであって、徹底、拡充するものではない。

父が準正により親権者となると法律上も関係が強固となる。

届出のみの場合は、一律明確な要件にし、それ以外は個別に帰化によることは立法裁量の範囲内。

類型的にわが国との結びつきを認めることが困難な非嫡出子は帰化によることが合理的。

3条1項の準正要件をはずすと立法としては意味不明な条文になる(存在意義?)。

わが国社会との結びつきが殆どなくても国籍を認めることになる可能性がある。

本権のような場合にも違憲審査権が及ぶことは否定しないが、多分に政策的要素をふくむものであり司法権との関係では問題がある。

甲斐中辰夫、堀籠幸男裁判官

3条1項自体は違憲ではなく、立法不作為が違憲

3条の準正要件を違憲とする多数意見は、国籍法が創設的・授権的なものであることを看過している。

立法不作為に対して裁判所が救済として立法類似行為を行うことは解釈の限界を超えている。

一部を無効として一般規定を適用することは解釈として許されるが、本件は一般規定を適用するものではない。

多数意見は「救済をはかり、違憲状態を是正しなくてはならない」との前提に立っているが、司法の使命は中立の立場から客観的に法を解釈し適用することであり、「救済をはかり、違憲を是正することは3条の適用解釈で可能か」という前提に立つべきである。

(それは前述の通り無理だから)国会に委ねるべき。

以上です。

なかなかどの意見も説得力があると思います。

解釈は十人十色であって、最高裁の裁判官レベルになると殆ど文句のつけようがありません。こうなると最終的に何が法の解釈かは、もはや判断不能で(おそらく真理ではないから)、その人のもつ価値観や人生観などが多分に影響していると思います。

非常にたくさんの論点をかかえており、ためになる判例ではないでしょうか。

この判例から、嫡出子・非嫡出子の相続分の差についての事例を考えると今裁判があったら、どうなるか興味深いです。

これにて国籍法違憲判決の話は終了!!

ちなみに立法では、すでにこの判例にのっとって準正規定を削除して、仮想認知を処罰する方向で動いているようです。

はぁ~ぜんぜん勉強できない…

2008年10月23日 (木)

国籍法違憲判決③

で、国籍法3条1項は憲法14条1項に違反すると判例は言ったわけですが、そうすると国籍法3条1項はどうなるのでしょうか?

おそらく私は「よって違憲無効となる」とかって簡単に答案に書くのではないかと思います。実際私は違憲ならば当然に全部無効になるのだと思っていました。

しかし、本件の事案では3条1項を全部無効にしたところで原告は国籍を取得できるわけではありません

無効にすると原告に適用される国籍取得条項はなくなってしまいます。

では多数意見はどのようにしてこの問題を解決したのでしょうか。

全部無効とすることは準正のあった子の国籍取得をも否定する⇒これは立法者の合理的意思に反する⇒全部無効にはできない

そうすると準正子の国籍取得を認める同項の存在を前提として、違憲状態を是正する必要がある⇒14条1項の平等の要請と国籍法の採用する父母両系血統主義を考慮⇒出生後認知されたにとどまる子についても3条1項の趣旨・内容を等しく及ぼす⇒救済の道を開くという観点からも相当性を有する

この解釈は全体として無効とすることなく、過剰な要件を設けることにより本件区別を生じさせている部分のみを除いて合理的に解釈したものにすぎない。そして血統主義や我が国との密接な結びつきを指標とする同項の趣旨・目的に沿う

だから裁判所が立法作用を行うものとして許されないと評価することは、国籍取得の要件に関するほかの立法上の合理的な選択肢の存在の可能性を考慮したとしても、当を得ないものというべきである。

したがって、準正要件以外を満たした子は3条1項により国籍を取得する。

以上が多数意見です(10:5)

意見は、行政法でお世話になった藤田宙靖裁判官(行政計画の決定取り消し判決でも行政法の観点から見解を述べており参考になります)

補足意見は、泉徳治、今井功、那須弘平、涌井紀夫、田原睦夫、近藤崇晴裁判官

反対意見は、横尾和子、津野修、古田佑紀、甲斐中達夫、堀籠幸雄裁判官でした。

これだけの裁判官が意見を述べるなんてすごいですね。僕ははじめてみましたw

なんと15人中12人が何らかの意見を述べています!

アツイ判例ですなぁ。

で、私の曖昧な記憶によれば、補足意見っていうのは結論や理由付けは多数意見と同じだけど一応付け加えておく感じで、意見は結論は多数意見と同じだけど理由付けがことなる、反対意見は結論が異なるということだったと思います。

僕は全ての意見を読みましたが、どれも(反対意見も)説得力があり、法解釈と法の役割・目的を考えさせてくれました。

で、判例について簡単に私の考えを述べておくと、最初は多数意見の解釈は無理があるんじゃないかと思いましたが、立法作用がどうとかの問題はないと思います。

まず、多数意見は一部(準正要件)を無効としただけで、新しく規定を創設したわけではありません。ですから積極的立法でないことは確かだと思います。一部を無効にした上で適用しただけです。

違憲として無効(一般的無効の意味ではありません)とすることは確かに消極的立法にあたると思います。しかし、違憲無効とすることは憲法によって与えられた違憲審査制に基づく裁判所の権限です。とすれば唯一の立法機関である国会という規定の憲法上の例外に当たるのではないでしょうか?そんなことはどの教科書にも書いてませんから、見当違いなのでしょうがw

一部無効が可能かについては、規定の機能や目的、性質によるのだと思いますが、可分であれば可能なのではないでしょうか。また、全部無効でなく一部無効とした方が国会の意思をなるべく尊重することになりますし、三権分立のバランスがよいのではないかと思います。

じゃあこんどは補足意見と意見についてみていきます~。

2008年10月22日 (水)

国籍法違憲判決②

では今日はあてはめです。

規範は、合理的関連性の基準でした。

そして国籍法3条の立法理由として、

ⅰ①日本国民の父と非日本国民の母との間に出生した嫡出子と④出生後に嫡出子の身分を準正により取得した者との均衡を図ること、

ⅱ立法当時はこうした制度を持つ国が多かったことがあげられています。

判例は立法目的には、

ⅰの④保護のために、父母の婚姻があれば密接な結びつきがあると認めるのは合理的だとして立法目的の合理性を認めています。そして、当時の社会通念に照らせば、合理的関連性があったと述べています。

ここから、判例は異論を唱えます。

非嫡出子の割合が増加したことにより、家族形態が多種多様化したため、あるいは社会通念の変化や国際化により、「その子と我が国との結び付きの強弱を両親が法律上の婚姻をしているか否かをもって直ちに測ることはできない。」としています。

以上から、婚姻要件をもって初めて、国籍を取得するとさだめることは「今日では必ずしも家族生活等の実体に適合するものということはできない。」といっています。

さらにⅱの点については、

ア)諸外国は非嫡出子に関する差別的取扱いを解消する方向にあること

イ)日本が批准している「市民的及び政治的権利に関する国際規約」及び「児童の権利に関する条約」に出生の差別を禁止する規定があること

ウ)準正要件を課した多くの国では法改正が行われたこと

をあげています。アとウは微妙に異なりますね。アの方は非嫡出子をなくす方向に近いですが、ウは嫡出か否かの差はあるが、準正要件をなくしただけに過ぎないわけです。

ⅰの点は国内的な社会状況の変化、ⅱの点は国際的な社会状況の変化に関するものです。

以上から「立法目的との間に合理的関連性を見出すことがもはや難しくなっている」としています。

そのうえでさらなる考慮事項として、②胎児認知をうけた非嫡出子と比較して⑤出生後の認知をうけた本件原告のような非嫡出子は「著しい差別的取扱いを受けているものといわざるをえない。」としています。

そして②と⑤で我が国社会との結びつきに差異があるとは考えにくいことや③日本国民の母の非嫡出子は出生によって国籍を取得することと比較して⑤の区別は両性の平等にそわないと述べています。

で、反論に対する再反論として、以下のように述べます。

(反論)帰化の手段があるからいいじゃないか⇒(再反論)帰化は裁量行為だから条件満たしても当然に国籍が取得できるわけではないから合理的関連性を欠くものでないということはできない(現に原告は代替手段によって国籍を取得できていない。帰化を好まないだけかもしれないが)。

(反論)仮想認知による国籍取得の恐れ⇒(再反論)だからといって仮想認知を防ぐために婚姻を要件にするのは合理的関連性があるとはいい難い。

結論として、遅くとも上告人らが法務大臣宛に国籍取得届を提出した当時には、立法府に与えられた裁量権を考慮しても立法目的との合理的関連性を欠くものとなっていた…

だから本件区別は合理的な理由の無い差別であり14条1項に違反するとしました。

個人的には国内的にしか効力の無い法律で、何故ⅱのように国外の状況なんか考慮しなきゃいけないのか疑問だったんですが、国籍というのは非常に国際的なものというか他の国が存在しない限り不要なんですね。しかし現実は多様な国があるわけですから、そこらとのバランスが重要になってきそうです。日本のように厳格すぎると無国籍の人が増えちゃいますから、多重国籍を防ぎつつ、無国籍も防ぐには連携が必要となってくるため、国際的な状況を国籍法は内在的に考慮しなくちゃいけないんだと思います。

で、次回は3条1項が14条1項に違反したとして、その次にある問題について考えます。

んでその後は補足意見、でそのまた次に反対意見、最後に勝手にまとめをしよう。

全42ページですが、最高裁判例は意見があって読み応えがあるし、最近のは「相当である」とかわけわからんこといわずにちゃんと理由を言ってくれるので勉強になります。

2008年10月21日 (火)

国籍法違憲判決について①

この判例について読んでみるといいつつブログでは放置していたので、自分の理解したことを書いてみます。

ちなみに私自身では中央の面接で聞かれるんじゃないかと思ってこの判例と土地区画整理事業の事業計画の決定取消し判決を押さえておきました(こちらは入試直前の判例でした。こちらも重要ですね。)。

全く役に立ちませんでしたがw

平成20年6月4日 最高裁大法廷判決(リンク先にPDFファイルがあります)

まず最初に国籍法2条と3条1項の適用関係を押さえておかないと問題が見えてきません。

六法を開いて読んでみます。お暇な方は自分で六法を開いて図などで適用関係を整理してみてください。私の考えに瑕疵があるかもしれないので…。

まず2条は出生による国籍の取得を定めています。

1項では出生時に父母のいずれかが日本国民である場合(要は法律上の親が日本人

2項では出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民である場合

3項では日本で生まれたが、父母が共に知れない時、または国籍を有しない場合

以上の3つの出生による日本国籍の取得が認められています。

当然ですが2項では死んだら国民ではないということが前提になっていますね。憲法11条「現在及び将来の国民に与へられる」⇒過去の国民は×。まぁ過去の国民を考えるのは無意味ですからね。死者に対する名誉毀損も死者が保護の対象になるわけではないようですし。

同じく人ではない、未来の国民の基本的人権については、将来的に人権を享有するので考えてみると面白そうですが、訴訟などは出来ないので実益はあまりないでしょうね。

また、2項は出生時に母が既に死んでいることはないという仮定になっていますが、稀にはお産中に母が死んだということもありうるでしょう。この場合は類推解釈をするか拡張解釈するかによって解決するのでしょうか。

2項の父という文言を類推して母にも適用するとかね。この場合は父も母も親であるということが類推の基礎になるのでしょう。

1項の拡張解釈では出生時を広く捉えて、出生の過程を含むことも考えられます。

ただ、この場合は民法や刑法と出生の概念が変わってきますね。

さて、本論に戻して…

3条は準正による国籍の取得を認めています。届出制です。この他に帰化による国籍の取得も4~10条で認められていますが、こちらは許可制です。制度からもわかるように帰化の方が国籍取得が難しいため、原告は3条で国籍を取得しようとしたわけです(もっとも帰化の条件を満たすより、違憲判決を狙う方が難しいという反論はありそうですw)。

3条は結構複雑ですので、前述のとおり適用関係をご自分で図示した方がいいです。

復習ですが準正とは何でしょうか。

内縁の子を父が認知して、その後に婚姻した場合を婚姻準正、婚姻中の父母が認知する場合を認知準正といい、どちらも準正により子は嫡出子たる身分を取得します

まず3条は2条の適用がない場合のみ適用されます。2条2・3項はレアなので1項のみで考えます。出生時に婚姻している場合と内縁の場合とでわけ、ポイントになりそうな場合を考えます。

①婚姻―どちらかが日本国籍⇒取得2条1項

②内縁―父が日本国籍で母は日本国籍を有しない、胎児認知を行う⇒取得2条1項(非嫡出子

③内縁―母が日本国籍⇒取得2条1項(非嫡出子

④内縁―父が日本国籍で母は日本国籍を有しない、出生後認知の後、準正⇒取得3条1項(嫡出子となる)

⑤内縁―父が日本国籍で母は日本国籍を有しない、出生後認知のみ⇒取得不可(非嫡出子である)

↑では父を事実上の父として扱っていますが、事実上の父は必ずしも法律上の父ではありません。

婚姻中に生まれた子ならば、一般に嫡出推定があり、通常親子関係がありますが、内縁の子は母と子には親子関係がありますが、父とは法律上の親子関係が当然には発生しません。内縁の場合は認知によって初めて法律上の父となり親子となるのです。

この違いは、婚姻中は婚姻相手としか性交渉を持たないことが一般的に考えられる⇒夫が親であると考えられるのに対し、婚姻していないときは性交渉の相手方が誰であるかを母などがわかっても判断権者(戸籍係や裁判所など)が容易には判断しがたいからです(もっとも内縁の場合を婚姻していない場合一般と同列に論じることは出来ないと思いますが)。

②の場合は胎児の時に認知(783条)しているので、出生時と同時に事実上の父と子の間に法律上の親子関係が生まれると思われます(停止条件付きの認知?)。

③の場合は、分娩により事実上の母ならば当然法律上の母なので(もっとも代理母の問題はあります)認知を要せず、当然に日本人の親と法律上の親子となります。

④は婚姻準正の場合ですね。認知準正も3条1項の適用となりますが面倒なので婚姻準正で考えます。

⑤の場合、子は日本国籍を取得できません。

あなたが⑤の場合の親または子であるとすれば(本件原告の立場)、

ⅰどのような主張をして違憲を唱えるでしょうか。

ⅱまたどのような訴えを提起するでしょうか。

ⅲ違憲ならばすなわち3条の規定は無くなるのでしょうか、それともなくならず裁判所が解釈により規定を補うのでしょうか。

ⅳ補うのであるとすればそれは司法権や唯一の立法機関である国会の役割(三権分立)において問題が生じないでしょうか。

ⅰについては原告(上告人)らは、判旨によれば④と⑤の区別が14条に反すると主張したようです。

考えようによっては、②と⑤の区別も14条に反しそうです(認知の時期が違うだけ)し、後に述べる判例の考え方によれば③と⑤の区別も若干ひっかかるところではあります。

ⅱについては国籍確認請求のようです。取消し訴訟を提起しても国籍は取得できませんから問題が解決できませんね。義務付け訴訟は無理ですし。

ⅲ、ⅳについては後ほど

んで、判例ですが、まず14条の一般論として「事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでない限り、法的な差別的取扱いを禁止する趣旨である」として過去の判例(尊属殺の事件など)を引用しています。個人的には「法的な」という文言にひっかかりました。何故この言葉を選んだのでしょうか。

んで憲法10条「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」という条文の趣旨を「国籍は国家の構成員としての資格であり、国籍の得喪に関する要件を定めるに当たってはそれぞれの国の歴史的事情、伝統、政治的、社会的及び経済的環境など、種々の要因を考慮する必要があることから、これをどのように定めるかについて立法府の裁量判断に委ねる」ものだとしています。

さらに合理的な理由のない差別ならば14条1項に違反することを述べたうえで、「裁量権を考慮しても、なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合、又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合は」、合理的な差別でないから、同項に違反するとしています。

前段は立法目的についての判断、後段は手段と目的との関連性についての判断ですね。我々が使う審査基準ですと合理的根拠の基準と言っていいのではないかと思います。非常に緩やかな基準ですが、判例は基準はゆるやかに判断(あてはめ)は臨機応変なのであまり審査基準にはこだわりがないと思います。

(今思ったのですが、基準が厳格だと、基準の適用によって判断の余地がなくなってしまうこともありうるため、判例は基準を厳格にはしないのかなと思います。

例えば表現の自由全般に「現在の差し迫った危険」を適用するとしてしまうと判断裁量によって合憲を導くのが難しくなります。)

そして国籍の重要性(基本的人権の保障の有無、公的資格の付与、公的受給など)や婚姻により(婚姻準正を念頭においている)嫡出子たる身分を取得するかいなかは子にとってはいかんともしがたいものであることから、合理性の判断は慎重になすべきだとしています。

そして、国籍法3条の目的として、①で父のみが日本国籍を有する場合との均衡を図ったものだとしています。

そして④と⑤を区別した理由について、

④の場合は認知だけでなく父母の婚姻により「日本国民たる父との生活の一体化が生じ家庭生活を通じたわが国社会との密接な結びつきが生ずる」と考えられるが(⑤の認知だけではそうとは言えない←は立法者の見解を推認したもので最高裁がそう考えたわけではありません)。

また、「国籍法改正当時には、父母両系血統主義を採用する国には、自国民である父の子について認知だけでなく準正のあった場合に限り自国籍の取得を認める国が多かった」

という二つの重要な理由をあげています。

では、長くなりましたので、かつバイトの準備があるので、次回判例のあてはめをみていくことにします。

誤植とかあほなこといってるってところがありましたらお知らせください。

2008年10月 1日 (水)

病院名の規制について

ちょっと腰をおろしすぎたように思います。腰があがりません。

がっついて勉強しよう。

とりあえず、一橋の5科目だけに絞る。去年受けた感じでは刑事訴訟法なんかはあってないようなものだけれど…。

にしてもロー受かってみると、さっさと入学して勉強したくて、はやく半年たたないかな~って思ってしまいますね。

・・・・・・・・・・・・・・・

今日は、慶應の平成20年度の入試(憲法)をやってみました。

去年のやつですね。去年ブログに載せた自分の書いた答案構成をみてみた(2007年9月の記事)。

酷い…思慮がなさすぎる…個別的解決をしていないじゃないか。

まぁ今日書いた答案構成も一年たったら酷いものだってことがわかるんだろうけれど。

それが進歩。

問題はこんな感じ。

http://www.ls.keio.ac.jp/admission/pdf/2008ron1.pdf

結構難しいなというのが率直な感想。以下を読むつもりなら、そのままだと意味がわからないと思うので、問題を読んで構成することをお勧めします。

小問1

私はXの「○○乳腺病院という名称での病院経営の自由」を問題にしました。

そしてこれは22条1項により憲法上保障される(こちらに書くべきなのか小問2に書くべきなのか迷いましたが、問題文に憲法上の主張とあるので、憲法上の根拠を示しました)。

んで、医療法A条(B条についても場合によっては考える必要があるかも)の違憲性、

そして不許可処分の違憲性について主張。

直接関係はないのですが、問題文では「認可」と「許可」が使われているけど、行政法で言うどっちなんでしょうね?

効果の点からすれば許可が正しいのでしょうか。

小問2

公共の福祉による制約の可能性

内在外在二元説→公益性+経済的自由権(二重の基準)→外在的制約根拠が強力→

合憲性の推定

さらに目的二分論→目的によってわける根拠と基準の提示

あてはめ

当該規制は、国民が適切な医療を適切な時期に受ける機会を確保することを目的とする→消極目的(?多分積極目的ではないでしょう)→厳格な合理性の基準を採用

では目的→OK

手段→国民は診療科名について知識あまりない→紛らわしいとやばい(大臣発言)→名称は医療を選択する際の最も重要な指標→B条が適切な医療を受ける機会を確保できる程度の名称を記載している限り手段は合理性ある(B条の例示がすくな過ぎるときは過度に広凡なためLRAみたさない)

医療法は合憲

では処分は?

医療法B条は限定列挙→羈束行為

あてはめ→逸脱なし

処分も合憲

・・・・・・・・・

疑問1

新規参入規制は一般に、営業を継続する自由よりも厳格に判断されるそうです。

では病院が新規に開設される場合と本文のように既存の病院が定款変更される場合で結論はことなるのでしょうか?

私はそうはならないと思います。

何故なら、本問では新規参入そのものを規制する目的ではなく、一律に名称を禁止するに過ぎないからです。

新規参入への規制は付随的なものに過ぎません。もっとも付随的ならば合憲というわけではなく、名称の使用禁止で参入ができないような状況(例えば○○総合病院のみ認めるとかだと専門病院などは開設できなくなるかもしれません。もっともこの場合はもはや名称が無意味なものと化しているかもしれません)では違憲になりうるとおもいます。

疑問2

目的の認定について

この問題をみたら多分、医療類似行為の判例を思い出すのではないかと思います。

あの判例では目的は、国民に対する医療行為に伴う危険の除去が目的だと多数意見は認定していました。さらに踏み込んで、国民が適切な時期に適切な医療をうける機会を提供することが目的だというのが少数意見のようです。

前者は直接的に侵害を除去するのに対し、後者は間接的です。

本問ではあきらかに後者でしょう。名称が曖昧だといっても医師が行うわけですから、危険が及ぶとは考えられません。謂わば因果関係がないということでしょうか。

では後者でしょうか?私は無理やり後者にしましたが…。

間違っていた場合、一般的な医師なら「○○科にいってください」と助言するはずですから、それほど適切な医療をうける機会が奪われるとは思えません。また、乳腺病院であれば、一度の間違いが命取りになるような緊急を要する患者がいるとは思えません。

そうだとすれば国民がうける損害は一度間違えて違う診療科で受診しただけということになります。判例の場合のように継続して診療行為が行われたために適切な医療がうけられないということはほぼ考えられません。

そうだとすれば立法事実論(薬事法違反事件判例などと同様に)としては、このようないわば「おせっかい立法」はかなり厳しいのではないでしょうか?

しかしながら乳腺病院がどんな医療を提供するのかは自分にはわからないため、間違えることがないとか緊急を要しないとは安易にいえないところです。

乳腺でなくても、たとえば内蔵病院とかだと結構曖昧かもしれないですね。内蔵の外科手術専門だとおもっていったら、ただの内科だったとかね。

・・・・・・・・・・・

勝手に問題検討終了~。

今後はこの順でやってみます。

慶應 民法→刑法→民訴→刑訴

大阪市立 憲民刑民訴刑訴

首都 同じく

一橋 憲法→民事法→刑事法

終わったら新試の問題をみてみよう。

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